日本の象徴と言えば皆さんは何を思いつきますでしょうか。日の丸や天皇など様々な象徴がありますが、日本で最も高さのある富士山も知名度がありまさしく象徴という感じでしょう。
しかし富士山は、いつ噴火してもおかしくない活火山としても挙げられており過去に噴火した300年前からマグマをずっと溜め込んできている恐ろしい火山でもあるのです。
溜め込むだけなら別に怖くないのですが、もしも噴火してしまった際に膨大な被害を受けることが想定されるのですが、その中でも火山灰による電波障害が恐ろしい災害として考えられます。
富士山が噴火するとどのようになってしまうのかの簡単なシュミレーションと、富士山が噴火した場合に備えてどのような対策をしておく事ができるのかまとめましたので参考にしてみてください。
目次
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富士山の噴火がいつおきてもおかしくない?
富士山は日本で1番高い山として有名ですが、噴火の可能性を持った活火山でもあります。
富士山の噴火に関する記録は西暦781年から確認がされており、1707年の大規模な宝永噴火まで記録がしっかりと残されているとのことです。
781年から1707年の宝永噴火までの間に10回近くの噴火記録があり、100年に1回のペースで富士山は噴火していた計算にもなるのですが、1707年以降は富士山は噴火しておらず休火山として考えられていましたが、火山噴火予知連絡会が1975年に活火山として認定したこともあり警戒が高まっています。
富士山は300年もの期間、噴火をせずにいつ噴火してもおかしくない状態にスタンバイしているとの見解から大規模な噴火が懸念されている訳なのです。
さらに富士山噴火がなぜここまで懸念されるようになったかの要因は、首都直下型地震と南海トラフ地震といった大規模地震が発生する事により富士山も影響を受けて噴火してしまうのではないか?という見解からになります。
首都直下型地震と南海トラフ地震は30年以内に70%の確率で発生すると言われており、地震は火山の噴火活動に少なからずとも関係する仕組みだと考えられています。
つまり富士山噴火がどこかのタイミングで発生するのは免れなかったとしても、大規模な地震が発生する事により富士山噴火を早めに誘発させてしまう可能性もあると最悪の想定がされているんですね。
富士山が噴火するとどうなるの
富士山噴火が起きるかもしれない事は分かったけど、結局のところ噴火したからどうなるの?と疑問に感じる方もいらっしゃることでしょう。
富士山が噴火する事で何がどうなってしまうのかを先ずは確認してみましょう。
火山が噴火する事で起きる事象としては
- 噴石の落下
- 噴火の衝撃による空振
- 溶岩流や火砕流の発生
- 火山灰の噴出
このように様々な事象が起きると想定されます。これからの事象が発生する事によりリアルタイムで被害を受けることもあれば、後発的に被害を受ける事案も多く考えられます。
それぞれの項目を詳しく確認してみましょう。
噴石の落下
火山が噴火する事により、火口から吹き飛ばされた噴石がそのまま落下してくる現象です。
噴火から落下してくるまでの時間は非常に短く、2km~4km範囲に飛散する可能性が考えられています。
避難するまでの余裕が無いため、即座に頭を守る行動を取るしかありません。
噴火の衝撃による空振
噴火の際に衝撃派が発生し周囲の空気に伝わる圧力の事が空振という現象になります。
火口から距離が離れるほど空気中に伝わる衝撃波の圧力は弱まり音波へと変化します。状況によっては自宅の窓ガラスが割れるほどの空振が発生する可能性もありまが、火山の噴火によりどれくらいの空振が起き、どれくらいの距離が危険なのかという評価がされていないためにまだまだ未知の現象と言えるでしょう。
溶岩流や火砕流の発生
溶岩流はいわゆるマグマが噴火により流れ下りる現象です。時速は30km~最大60kmにもなるので自動車があればかろうじて避難ができるかもしれません。
火砕流は火山灰や岩石、火山ガス、空気、水蒸気が一体となって流れ下りる現象です。時速は最大100kmを超えることもあり付近にいた場合に避難するのは難しいでしょう。
溶岩流や火砕流により被害を受ける可能性があるエリアは、火口から半径10km~15kmとなりますので要注意エリアです。噴火の規模によってはもちろん範囲が拡大しますので油断は禁物です。
火山灰の噴出
火山灰は直径2mm以下の噴石のことですが、風に飛ばされて空気中を舞うようなイメージになりますので呼吸て火山灰を吸い込む事により人体に影響を及ぼす可能性があります。
また灰との名称が付けられていますが、火山灰は火山ガラス、岩石の欠片、鉱物結晶が含まれた性質のため、目や皮膚や肺を気づつける物質となるのです。
灰だからと安易に考えるのは非常に危険なのです。
また火山灰は空気中に舞った後に地面へと降り積もりますので、降り積もるだけで機器類に重大なダメージを与えたり、雨が降ることにより重量が増し建物の倒壊にも繋がる後発的な災害を発生させる危険な現象となります。
富士山噴火の前例を紹介
富士山は過去から噴火を繰り返している活火山になりますが、西暦781年以降に記録されている噴火の中に3つ名称の付けられた事例があります。
1つ目が「延暦噴火」、2つ目が「貞観噴火」、3つ目が「宝永噴火」です。
延暦噴火は800年に起きた噴火で、貞観噴火は864年に起きた噴火です。
3つ目の宝永噴火が富士山大規模噴火の最後の記録となっており1707年に発生したとされています。江戸中に火山灰を降下させる特徴的な噴火で火山灰が5cmも積もった記録もあるようです。
噴火は2週間ほど続き、洪水等の土砂災害の被害が継続したとされています。
富士山噴火による被害を確認してみよう
富士山が噴火する事により、どのような被害が起きてしまうのか確認をしてみましょう。
富士山が噴火する事により、まずはマグマがどこまで到達する可能性があるかが最初に1番気になるポイントになるかと思いますが、新しく発表された富士山噴火によるハザードマップでは、富士山から約40キロ離れた小田原まで流れてくると予測されているようです。
また火山灰に関しては静岡辺りから上は埼玉、千葉県辺りまで飛来するとされています。
マグマが到達する範囲は間違いなく建物は倒壊しますので、甚大な被害となることは間違いないでしょう。火山灰が到達する範囲は通信障害の発生に合わせ、火山灰が降り積もり様々な機器の隙間に入り損傷させる事が考えられます。
ちなみに国際環境経済研究所の見解では、1707年の宝永噴火と同じ火山灰が降った場合について記載がされており下記のような内容となっています。
引用元:富士山噴火の被害予測と防災 – NPO法人 国際環境経済研究所|International Environment and Economy Institute
富士山では宝永噴火と同じ量の火山灰が降った場合の被害予測がなされているが、これによると、50センチメートル積もると木造家屋の半数は倒壊するという。このように火山灰の降灰は、住居等を破壊するなど深刻な被害を発生する。ちなみに2004年の政府の発表によれば、その経済的被害額は2兆5000億円に上る。
火山灰だけでもこれだけの被害が予測されていますし、2004年発表の資料になりますので、現在の新しい見解では噴火宝永噴火よりも大規模な噴火になるとの予測が専門家の一般説です。
災害は予測を大きく超えて甚大な被害を引き起こすこともありますので、この指標は1つの目安として考えるようにしてください。
通信障害が発生すると連絡が取れなくなる
噴火の影響により、火山灰が大量放出されることで一面に降り積もって被害を発生させるだけでなく、火山灰が携帯電話の通信を遮り通信障害を引き起こす可能性が考えられます。
日本の富士山噴火では1707年までの記録しかありませんが、この頃にインターネットや携帯電話が普及していたとは考えられませんので実際に大噴火が発生してしまうと歴史の記録では未だに誰も経験したことのない通信障害による大混乱を招く恐れがあるのです。
今となっては携帯電話で連絡を取り合う事は当たり前の事で、携帯電話が使えない世界なんて想像も出来ないのではないかと思いますが、このような世界に一時的にでもなってしまう可能性は大いにある訳で、実際に2022年1月に発生した「トンガ噴火」では噴火から1週間経過した後でも通信が繋がらない状況が続きました。
通信が出来なくなるということは、家族と連絡を取れなくなるだけでなく緊急時に助けを求める事も出来なくなってしまいます。
富士山噴火後は、火山灰の降下により電気、水道、道路といったインフラが機能しなくなっている状況も有り得るため、食料を自分で支給しにいったり、安全な地域への避難も出来ない状況になるかもしれません。
このような状況を考慮した際に、通信が繋がる事の重要性や水や食料の備蓄をしておくことがいかに大切か読み取る事ができるのですね。
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携帯電話が使えないと困ることまとめ
火山灰の影響により携帯電話が使えなくなると何が困るのかを確認しておきましょう。
まず携帯電話は連絡を取るためのツールになりますので、その大事な部分が遮断されます。家族への安否確認、助けを求める為の救急の連絡、生活を続けるために働くかもしれないので仕事での会社等への連絡、このような事は全て出来なくなることでしょう。
次に携帯電話で利用する事はインターネットでの検索です。何か問題が起きた場合に解決するならインターネットで解決方法や良い案がないのか調べる事って良くありますよね?インターネットが繋がりませんのでもちろんこのような事はできません。
連絡が取れなくなる、インターネットを使えなくなる、この2つが理解出来ただけで、あなたの生活がどれだけ不便になったり、緊急時に助けを求めれなくなる事がどれだけ怖いことかが想像できますね。
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どのように対応すればいいのか考えてみよう
ここまで富士山噴火について詳しくまとめてきましたが、結局は本当に大噴火が発生してしまった場合に私達がどのように対応しなければいいのかを考える事が1番大切です。
富士山が噴火することにより、マグマの流下や噴石の飛来が起き、火山灰が噴煙と共に大量に放出されます。その後、火山灰により電波が繋がらなく通信障害の発生や火山灰の降下による建物倒壊や電気水道道路への影響。
このような予測が立てられます。先ずはあなたが富士山からどれくらいのエリアに住んでいるのかを確認し、マグマが届くハザードマップ内いるのであれば、いつでも遠くへ避難ができる準備をしておく必要があります。
火山灰が飛来する範囲に住んでいる場合は、水と食料の備蓄、通信手段が無くなった場合に家族と連絡を取るのは難しいので、近くに住んでいるのであれば災害が起きた際に安全な避難所を確認し、合流場所を決めておくといった事は事前に話すことかできます。
水や食料の備蓄は2週間くらいの量があれば理想的かと思われます。
また携帯電話の通信が繋がらなくなったとしても携帯に保存されているデータはいつでも確認する事ができます。
災害時の役に立つ知識や、避難場所、地域の役立つ情報等はスクリーンショットなどの画像データにしておく事で、通信障害発生後でもいざという時にあなたを救ってくれる情報として役に立ってくれることでしょう。